どこで読んだかは忘れていて非常に記憶に残っている一文に「自制心が強い人は人並みはずれて我慢強いのではなく、我慢強さを発揮しなければいけないシーンを避けていて結果的に強い自制心となっている」というのがあり、いつも頭の隅に引っかかっていた。
出典元を探すためchatGPTに聞いたら一発だった。「スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マクゴニガル著(だいわ文庫)で提唱されている理論という。通常の検索では無理でも生成AIはこういった漠然とした問いにもしっかりと答えてくれる。たまに自信たっぷりに嘘をいうが。
著者はスタンフォード大学の講師で、ストレスや自制心に関する理論の講座を開いていて、その一連の講座を収容したのが本書である。
通して読んでも前述の理論が明確に書かれている箇所が見当たらなかった‥。読み飛ばしてしまったのかもしれない。自分の読解力の低下に気が滅入った次第だ。なお、本書は中学生でも容易に理解できる内容である。
手元の本書がないため、飲み込んだ範囲の内容で印象に残った点と、自分の状況を記す。
ドーパミンに言及した箇所で、ドーパミンは期待通りになって分泌されるのではなく、報酬を期待することで分泌されるという点がある。
アダルトサイトやxの過激なポスト、初めての嬢の指名などをする際に目的を達成した時ではなく、目的に向かってアホのようにネットサーフィンをしている際にドーパミンが分泌しているのだ。そしてそのドーパミンを再度求め、無意識に同じことをくる日もくる日も何時間でも繰り返す。
人間は脳の構造上そうなっている。生物として生存するためのごく自然な反応で、生存のために食料や快適性を過去に得た記憶をドーパミンで強化していた名残りである。一方で、ただちに本能に従って反応しない、理性や抑制を司る脳の前頭葉前半部は比較的新しい脳の部位であるという。
確かに毎日生きるか死ぬかの生活であれば、立ち止まって考えている暇などなく本能や直感に従って生きたほうが生存確率は上がるだろう。そうやって淘汰を経て生き残った人類が今の我々である。
ヒトの歴史で数百万年ほぼ本能で生活していて、前頭葉前半部が次第にでっかくなり、フル活用しだしてたかだか30〜40万年である。クロマニョン人が社会性があったとのことなのでその頃からだろうか。
現代の自分は食料(エロ)があったであろう場所(サイトやxのポスト)を再度求めようと探って(ネットサーフィンして)いる。原人と一緒である。せっかく人並みに備わっている(と思われる)前頭葉前半部をスリープさせて野原(ネット)をドーパミンを分泌しつつ彷徨っている。
こう客観的に記すと日常の自分の原人ムーブはまったく無意味でしかなく、理性や思考を司る脳の機能を低下させようと必死な自分が自分の中に存在しているのだな、と思う。
そいつを飼い慣らす毅然とした前頭葉前半部マンの活躍を願う次第である。冒頭の自制心に言及した箇所、猛烈な自制心を発揮しなければいけないシーンを回避する理性的な判断や行動がまず最初に働く自分を目指したい。
そのための方法の一つとして呼吸法や瞑想が良いということであった。瞑想や呼吸法はかねてより関心が高く、マインドフルネスなどいくつか書籍も読んだことがある。手間や金もかからないので実践あるのみだ。
一方でこの夏のクソ暑さに露出度が高くほぼ乳丸出しブルンブルンのような女性に目がいってしまう自分がいる。そういった時には理性マンは「赤ちゃんがお腹が空いている時にはああいうのを見るとお腹を鳴らすのか?」と思うといいよ!と告げてくれる。今書いて思ったがフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に語感が似ているな。ちなみに乳ぶるんぶるんには女性でも目がいくそうだ。これは前に書いたかもしれない。